2.援助活動と接遇の基本
○利用者の尊厳を守る姿勢
@援助活動の大前提は、高齢者を敬愛し、施設のご利用者として尊重されることです。このことを念
頭において援助・介護にあたります。
A利用者に対しては、感謝の心を込めた態度と温かい気持ちで接します。
○人権・個人情報の保護を徹底した介護の実践
@居室はその人に固有の空間であることを踏まえ、訪れる際の礼儀はもとより、介護にあたる時は、
ドアやカーテンを閉めて他人の目にさらされないように配慮します。
Aトイレや浴室では、介護にあたる職員以外の視線を完全に遮断するとともに、利用者の自尊心を損
なわないよう細心の注意を払います。
B施設職員として個人情報の守秘義務を守り、ご利用者のあらゆる権利を擁護するよう努めます。
○ご利用者の自己決定に基づく個別的援助の徹底
@ご利用者は、個々の異なる環境の中で今日まで生活してきています。従って、考え方や価値観、行
動様式など一人一人違うのが当然であり、その違いを尊重することが援助の第一歩であると考えて
います。
A入居以前の自宅での生活様式を可能な限り継続できるようにするため、以前使用していた家具や身
の回り品の環境を整えるよう配慮します。
B個別援助は、まず個々のニーズを把握し、個別のケアプランを具体的に示して、ご利用者及びご家
族の合意の上に実施します。
C画一的日課は設けず、週単位・月単位の基本スケジュールと一日単位の生活プランは、ご利用者の
状態に応じて柔軟性を持ったものに設定します。
Dご利用者の残存能力の活用を図る介護を実践します。また「寝たきり」を作らないため、生活の中
に機能訓練を取り入れ自立への意欲を高めます。ただし、その動機付けに際しては、押しつけや独
善的にならぬよう、細心の注意を払います。
○明るい雰囲気で温かみのある接遇の実践
ノーマライゼーションの実現
@居住構造と設備の利点を最大限に活用し、家族的ふれあいを大切にした「家庭の生活」のあり方を
追求します。
Aご利用者の家庭的な生活の拡大を図るため、地域住民・町民との交流を兼ねた外出の促進や、施設
の設備・機能などの一般町民への開放を進めます。また、施設行事への招待や個人・グループとの
共同イベントなどを通して利用者の社会参加を促し、ノーマライゼーションの実現を目指します。
★ノーマライゼーションとは
普通の状態にすること、平常化あるいは常態化という意味: 障害をもつ者が、身体機能の欠損や外
見により健常者と異なった者とみなされ、健常者の集団とは異質の集団に属する者として扱われてき
た。
そのような異質な集団を解体し、障害を人種、民族、性別、年齢、体重や身長、能力などの違いと同
様に、個人の個性としてとらえ直し、お互いをありのままに受入れることのできる社会を実現すると
いうこと。社会的に隔離され、差別されている人々を社会のなかに再統合し、ノーマルな状態をつく
りあげること。